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自転車でふらふらと出かける。今日は環状七号線を走ってみる。
適当に道なりに進んでいると、大森に到着した。大森は噂にたがわぬ汚い町で、お世辞にも居心地のよい町とは言いがたかった。
だが、ちょいと駅前を離れて商店街を走ると、そこには戦後すぐに作られたようなお店が点在しているではないか。
こげ茶色の木の柱に一段上ったところにある奥間。手前のショーウィンドーのガラスもどこか古ぼけており、現在あるガラスのように均一ではなく、ぼんやりとガラスの濃淡が目で見て取れる。
そのくせ、隣にある店は比較的最近……といっても、ここ十年に作られたような、白を貴重としてこぎれいなお店が立ち並んでいる。
新旧がうまい具合に融合し、一昔前の商店街を色濃く残している。
ああ! 大森はなんて素敵な町なんだろう!