普段大概の出来事を『気にしたら負けだ』『ええじゃないか』で済ませてるから、たまにはちょっと物事を深く考えてみようと思う。
 隠し事について。
 隠し事ってのは、『自分が有利に立つよう、相手を操作する』ってのと、『相手が悩んだりしないよう、本当のことを言わない』ってのの2種類があると思う。
 どっちの隠し事が良いとか悪いとか、そういうのはどうだっていい。そもそも、森羅万象に良いも悪いも老いも若きも男も女も存在しない。
 人間の価値観に縛られ、それによって作られた人間関係という名の社会の中において、良い悪いってのはそもそも存在しない。あるのは、『自分の欲求をかなえるか、そうでないか』の二種類で、極めてシンプルだ。友好とか均衡とかってのは、利害の一致に過ぎず、それ以上の意味を持たないものなのである。
 この自分の欲求をかなえるっていうのは、『理想を作り上げる』という意味であり、大概この信念に元づき、万人は行動している。つまり、良いってのは自分の欲求をかなえるであり、自分の欲求をかなえるは理想の一つなのである。悪いってのは欲求をかなえない事であり、理想に沿わないものなのである。
 良い悪いってのは個人個人の中にある『人間関係によって作られた社会』の価値観によって形成される。自分が常に頂点にあるとか、中心にあるとか、そういうのが大概この『理想』であると言っていい。これはつまり、良いってのは思い通りに動く者、つまり『弱者』であり、悪いってのは思い通りに動かず障害になる者、つまり『強者』である。
 人間は自分よりも強い人間を嫌い、弱い人間を好く。隠し事は強い人間と弱い人間にするものであり、自分と同じ力を持つものに対しては、隠し事が無駄であることは皆無意識の元で重々承知している。
 まぁ、ようするに、『隠し事をしないってのは相手と自分が同じ位置にいるって事を認めてる』って事なのよ。
 けど世の中には例外がいるんだよね。ほら、いるじゃん。『隠し事をするのも面倒くさいけど、わざわざ口にするのも面倒くさい』『どうだっていいじゃん』って口にするの。ほら、いるでしょ? ああいうタイプって、パターンが通じにくいから苦手なんだよね。
 係わり合いになりたくないよね。
 
 あー、面倒臭かった。もうやらん。