映画ノタウチマワリ

 寺岡呼人公式サイトにある私立探偵寺岡呼人のロンググッドバイに、映画タクシードライバーについて書いてあった。見たこともなかったし、バイト先にもあったから借りてみる事に。
 こいつがまたすげぇ。差別に強盗に売春。無法地帯と化したニューヨークで理想を語る大統領候補。彼らと些細なかかわりを持ってしまった主人公トラヴィス
 錯乱と狂気と苛立ちと現実。それらが倒錯する中で、主人公トラヴィスが選び出せなかった選択。シナリオは比較的パッとしない、いわゆる『現代受け』しないものの、映画好きならばむしゃぶりつきたくなる内容。
 何よりの見所は役者だろう。主人公演ずるロバート・デニーロを初め、ほぼ全ての俳優が『上手い演技』ではなく、『実在する人物』と思わせてくれんばかりのもの。あと、デニーロのモヒカン。
 けど、この映画もグッバイ、レーニン同様、『シナリオを盾に、時代の混乱を見せている』映画だと思う。あの時代のアメリカが抱える問題を、剥き出しに強調して描いている。グッバイ、レーニンとの違いは、盾の出来が良い事か。
 決してリメイクする事は許されず、しかし埋もれさせるにはあまりにも惜しい映画だろう。
 
 映画って好きなんだけど疲れる。2時間身動きが取れないのも不便。ヲタクである分、映画とアニメだったらアニメを選んでしまうのもまた事実。
 ウォーク・ザ・ラインを旧作落ちするまで映画は断食するかな。