そう、彼もまた、生まれながらの殺し屋なのです

 絶えず殺しと防衛を続けるのが生物なのであって、その枠から外れた物は生物では無いのだろうと思うようになってきた不眠蝙蝠です。
 ずいぶんと前、漫画だかなんかで、肉や骨等、その他諸々を全て人間と同質・同形状で構成しても動かないのは、魂が入って無いからとか言うのを見た事がある。魂なんてあるわけねぇよ。単にそれは肉塊だからだよ。
 
 全ての客を対人恐怖症なんだろうと思ってみると、ああなるほど。全て合点が行く。
 東京で『幼稚な客』相手に接客なんてアホみたいな事ばかりやってると、福島が懐かしくなってくる。
 自転車で2時間ほどぶっ飛ばしたところは超がつくほどの田舎で、とても貧乏臭く一般家庭が壁をぶち壊して開いたようなお店が何件かあった。
 ちょっと飲み物を買おうとするといつも笑顔で対応してくれたっけか。ラジオを聴きながら走るあそこは、本当に居心地が良い素敵な場所だった。けど、本当に何も無くてすごく退屈だった。
 嗚呼、畜生め。もう戻りたく無いから、あの時にもっと堪能しておけば良かったぜ。