たまにはmixiと同じ事でも書いてみよう。
 
 
 むかーしむかし、野菜を主な産業としている野菜の国がありました。
 野菜の国にはわれめ姫という、これはまた可愛らしいお姫様がおりました
 われめ姫は今日もお城のお庭で大豆達に水をやっています
「さぁ、お豆さん達。今日も綺麗になるのですよ」
 そんなわれめ姫の姿を見つめている一人の男の子がいました。
 彼の名前はソーセージ王子。隣のお肉の国の王子様でした
 われめ姫は彼の姿を見つけるとむっとした表情を浮かべ、彼のもとに近寄りました
「またあなたなの、何の用? いつもいつもぐじぐじと……用があるならはっきり言いなさい」
 ソーセージ王子は口下手で恥かしがり屋。われめ姫は、そんな王子の姿を前々から嫌っていたのです
「あの……われめ姫、今日もその……綺麗に……綺麗な、野菜ですね!」
「当然よ! 野菜の国の野菜が綺麗じゃなかったらどうするのよ!」
 われめ姫は怒ってしまい、また大豆いじりに戻ってしまいました。ソーセージ王子は大きくため息をつきました
「なんでもっとはっきり言えないんだろう、僕……」 
 
「お嬢様、お嬢様ー」
 遠くからバタバタと大きな足音をたてて走ってくる女性がいました。彼女の名前はアワビ。海鮮の国の生まれで、われめ姫の親友にしてメイドさんです。
「どうしたのアワビ。みっともないわね、そんなに汗流しちゃって」
「それが、大変でございます! 南にある薬の国のピル王子が!」
「薬の国のピル王子? あの、軍事大国の道楽息子?」
「これはこれは、私をご存知とは光栄にございますね」
 いつのまにか、アワビの後ろに白い肌で丸い男の子が立っていました。
 彼はピル王子。軍事大国薬の国の第一王子で、唯一の跡取。彼の我侭っぷりは遠い国でも知られてるほどでした。
「あら、何の御用かしらこんなところへ」
「なぁに……こう言うのもなんですが僕ももう年頃……どこかに相応しい妃がいないものかと探しておりましたところ、この田舎国家に輝かんばかりに可愛らしい姫がいると聞きましたものでね」
「それはご苦労な事ですわね」
「僕の長い旅もようやく終りを告げたようだ。われめ姫、あなたとの出会いによって……ね」
 その言葉を聞いて、われめ姫はピル王子をブタか猿を見るような眼で睨みつけ、鼻で笑って言いました。
「ピル王子は落語の才能がおありですわね。残念ながら、私は今冗談を聞きたい気分ではありませんの」
「おや……そんな事を言ってよろしいのですかな? あなたも我薬の国の軍事力をご存知でしょう」
「脅す気ですか」
「ご忠告です」
 不敵な笑みを浮かべるピル王子。われめ姫のピル王子を見る瞳は変わりませんでしたが、表情は少しだけ変わりました。
 そんなわれめ姫を見たピル王子はいやらしく笑い、われめ姫の肩に手を乗せました。
「……ッ!!」
「田舎臭いところですが、実に美しい国です。戦火に巻き込むには忍びない……決して悪いお話では無いと思いますがねぇ」
 
「その薬臭い手を離せー!」
 突然、物陰からソーセージ王子が飛び出してピル王子を小刀で刺しました。二人の会話の一部始終をソーセージ王子は聞いていたのです。
「貴様は、肉の国の……下賎な精肉の男…に……ぐふっ」
 ピル王子は息絶えました。おなかに刺さった小刀からどくどくと黒くよどんだ血が流れています。
 ソーセージ王子はそんなピル王子を見て我に返り、青ざめ、身体を震わせました。
「ぼ……僕はっ! 僕は、なんて……事を……」
 膝から崩れ落ちるソーセージ王子。彼は声を出さずに泣いていました。
 そんな王子を後ろからそっと優しく、われめ姫が抱きしめました。
「ソーセージ王子、私はあなたを助けてくれたのですね。われめは、ずっとあなたがそうやって強い意志を見せてくれる時を待っていました」
「われめ姫……ですが、僕のやった事は……」
「解っています。おそらく、薬の国との戦争は避けられないでしょう。ですが、われめは微塵も不安を感じてはおりません。ソーセージ王子、あなたがいてくれる限り……」
 ソーセージ王子を抱きしめるわれめ姫の腕の力が少し強くなりました。ソーセージ王子の震えは最早止まっており、強くたくましく、熱くなったソーセージ王子がそこには立っていました。
 そんな様子を少し離れた場所から眺めていたアワビは、大急ぎでスコップを持ってきて、大豆畑に穴を掘っていました。
 
 この情事が一年後、世界を二分する大戦になるとは、この時誰も予測していませんでした。
 
 
 次回、【われめ姫 第2話〜アワビの横恋慕〜】をご期待ください。
 
 
 
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 こんな事ばっか書いてるから人格疑われるんだよな。