想像してください

 雨が降りそうな不安げな空。時間は昼ごろで、通りは少ない。けど、比較的都市部なんで、車は絶えず通っている。
 左側には大規模な駐車場を抱えるスーパーが、こんこんと明かりを灯し、軽快な店内BGMを流している。あなたは右側の駐車場に立っている。そこも随分と広く、50近い車が止められるほどか。
 周囲に大きい建物は無く、道路の向こうを見渡せば民家と家々。空と大地の境界線は、雲で輪郭が曖昧になっているが、すこし大き目の山があるのが見える。
 右側の駐車場の奥に、ぽつんとたたずむラーメン屋。白と黒を基調とし、倉のようなその姿は博多系の味である事を想像させる。
 店内に入ると小太りで汗だくの小汚いあんちゃんが4人くらい厨房に立っている。カウンター席にいる客はボロボロのサンデーを読んでおり、店内の客は見るからに長距離トラックの運転手といった井出達をしている人々ばかりだ。
 食券を買って店員に渡す。セルフサービスの水のコップはプラスチック製で、氷は入っていない。
 窓際の4人がけの席に座るあなた。とはいえ、駐車場にとまる車と道路。その向こうにスーパーが見えるくらい。
 ラーメンが来る頃にはコップに結露がつき、あなたは割り箸を一本引き抜いた……。
 
 たった今、こういうところで油ぎとぎとのラーメンを大盛り食べたい。
 わかるか!? この気持ち!!