プカプカプカ

 俺のあん子はタバコが好きで いつもプカプカプカ
 いやぁ、あの曲は良い曲だねぇ。
 いつも思うんだけど、大人の女性がタバコを吸う姿は美しいね。煙をフッと吹く姿とか、あぁもう格好いいわぁ!
 けど、それはあくまでもオフィスの隅っこでとか、屋上で一人とか、そういう複雑な条件が絡み合って、始めて一つの美となり光り輝くのです。道端でぶかぶか吸ってるのは小汚いオッサンがヘラヘラ笑いながら、酒を飲みつつ吸うタバコと同じように、唯醜く迷惑なだけです。
 おっさんだってそうさ。特に団塊団塊は基本的に超かっこ悪いし、かっこ悪い=団塊団塊=かっこ悪いと言わしめるほどなのに、シチズンのCMとかに出てくる定年のオッサンなんかはカッコイイぞ。あの部下と思しき青年の一言には、Bgmに使われている吉田拓郎の「人生語らず」とあいまって、胸を打つ何かがある。
 ちょっと前まで、人間は必ずどこかしらカッコイイ一面があるもんだと思ってたけど、それは大きな間違いだった。なんせ、私は格好悪い。どうしようもないほど情けない生き方と、かっこ悪い行動しかしないからだ。直そうと思っても治らないんだから困ったもんだ。これは天命と受け止めるしかないのだろう。
 で、類は友を呼ぶとか、野糞に蛆や蝿がたかるとの同じ事か、私はカッコイイ生き方をしている人と言うのをほとんど知らない。直接面識があってカッコイイ人なんざ、3〜4人程度だ。カッコイイ所なんか欠片もない奴等がそこらにゴロゴロしていやがる。
 あいつらも全員、自分と同じで『カッコイイ自分』に諦めた、哀れなゾンビなのかなぁ と思うと、無性に泣けてくる。自分と自分以外に。